前回のあらすじ
自分の100円使えよ~。
あの~、もうひとつお願いがあるんですが・・・。
はい、何でしょう?
実は彼女が車にいるんですけど。
ああ、言ってましたね。
すみませんが彼女を自宅まで送っていってくれませんか?
実は彼女、足を怪我してるんです。
こんなことを言われて断れるわけがない。
仮にもし断っても、他に誰かこんな雪降る夜の墓地を
通りかかるだろうか、いや通るはずかない。
(仮定法否定形)
おいおい、車に乗せて、小銭まで貸して、さらに彼女を送れってか?
(N君の心の声。たぶん)
あ、いいですよ。
あっさりこたえるU。
えええええ~っ!
(おい、なんで君はサラリーマン寄り?)
いいじゃん、困ってんだから。
(人助けにかこつけて、自分も助かった!と思った腹黒いU)
ありがとうございます!!
そして車は事故車で待つ彼女を迎えに
再び坂道を登り始めた。
じゃあ、彼女をお願いします。
彼女を車の後部座席に乗り込ませ、
お辞儀をするサラリーマン。
思えばサラリーマンは
自分が運転して彼女に怪我をさせてしまい
どんなに心を傷めていることでしょう。
それにJAFが来るまでこの寒い中、
一人きりで待たねばなりません。
(しかも夜の墓地)
大変でしたね、大丈夫ですか?
女性は綺麗な23歳くらいの方でした。
はい。大丈夫です。
本当にご迷惑をかけてすみません・・・。
女性は今にも泣きそうです。
本当に最悪・・・。
まあ、まあ、命に別状はなかったし、
幸い軽い怪我ですんでよかったですね。
車内の重い空気を打破しようとUは明るく言ってみた。
怪我してるんですよね、
病院じゃなくて自宅でいいんですか?
N君に言われて女性を見ると
ひざ小僧がグシャっとなってます。
ひゃああああ~っ!
これは病院に行ったほうがいいですよ。
大丈夫です。
血も止まったし、明日病院に行きます。
え~、自宅より病院ですよ~!
本当に大丈夫ですから。
本当に大丈夫ですか?
なら家まで送りますよ。お家はどの辺ですか?
ちょっとしたスプラッタを見てうろたえるUをよそに
N君は冷静に尋ねました。
×××村です。
×××村・・・。
そこは車で2時間弱のところ・・・。
12時過ぎちゃうな・・・。
N君は脱力気味でポソッと呟きました。
ごめん、N君。
次の日仕事だったね。
冬休み中の学生Uはちょっと申し訳ないよ。
でも頑張って運転してね。
(Uの心の声)
そんなこんなで車は×××村へ向かいました。
ごめんなさいね。
せっかくのデートを邪魔しちゃって。
いいんですよ。
困った時はお互い様ですよ~。
もしかしたら、こっちが事故って
あなたがたに助けを求めたかもしれませんし。
そう言ってもらえると気が楽になります。
そして
あの~、お名前を教えて下さい。
はい、N・・・
いや、名乗る程の者じゃありません。
N君を遮り恥ずかしいセリフを答えるU
そんな・・・。
名前を教えてもらわないと、私が怒られちゃう・・・。
あ~。
もし名前を聞いたら、お礼したい、とか思ってるんでしょう。
はい、もちろんです。
こんなにご迷惑をかけちゃって・・・。
そんなのいいんですよ。
さっきも言いましたけど、困った時はお互い様ですし。
っーか、
逆にこっちが二人きりにならずにすんで助かったんですから、
とはもちろん言いませんでした。
でもやっぱり名前を教えて下さい。
じゃあ、
クリスマスの天使
とでも言っておきましょう。
U、恥ずかしくないのか?
つづく
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